放射線室

はじめに

放射線室では診療放射線技師34名と事務員8名で業務を行い、X線装置、CT装置、MRI装置、血管撮影装置、核医学装置、放射線治療装置など最新の機器と高度な技術を駆使し、正確な診断や治療を行うための画像検査を担当しています。
X線検査は被ばくを伴いますが、被ばくを最小限に抑える技術や手法を用いることで患者さんに優しく安心して検査を受けていただける環境を整えています。また、ワークステーションを用いた画像処理により手術支援画像を提供し、医師が正確な手技を行えるよう支援しています。がん治療においては放射線治療の計画や実施を担当し、治療の効果を最大限に引き出す役割を果たしています。
診療放射線技師は、医師や看護師、臨床工学技士など、他の医療専門職と連携して業務にあたることで、患者さんに提供される医療サービスが一体となり、安心して検査や治療を受けていただけるよう努めています。

放射線室のご案内

東館 東館放射線受付 一般撮影室
透視撮影室
骨塩定量検査室
CT検査室
生理機能検査受付 乳房撮影室
西館 西館放射線受付 MRI検査室
血管撮影室
核医学検査室
放射線治療室
救命救急センター 救急放射線受付 救急一般撮影室
救急CT検査室
東館放射線受付

東館放射線受付

西館放射線受付

西館放射線受付

東館エリア

一般撮影室

一般撮影室

一般的にレントゲン検査と言われるX線一般撮影です。X線を使用して体内を画像化します。骨折や腫瘍、炎症など様々な病状の診断に役立ちます。3つの一般撮影室の全ての装置はFPD(フラットパネルディテクタ)を使用し、低被ばくで高精細な画像を提供しています。
患者さんの待ち時間短縮のため、随時空いている撮影室にご案内いたします。検査内容によっては順番が変わることがありますのでご了承ください。

透視撮影室

透視撮影室

X線透視検査室は、X線を使って体内の臓器を観察し、また、内視鏡やカテーテルなどの動きをリアルタイムに追跡するなど透視を用いて安全に検査を行う部屋です。当院の透視検査室は3部屋あり、検査の種類によって使い分けています。消化器内科部門ではバリウムを使用した胃透視、大腸検査や内視鏡を用いた
ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)が行われ、呼吸器内科部門では透視下気管支鏡検査、整形外科部門では脊髄腔造影、泌尿器科部門では膀胱造影、尿管ステント挿入などが行われます。
検査、処置中は繰り返し透視撮影が行われますが、全てのX線透視装置はFPD(フラットパネルディテクタ)が搭載されているので、非常に被ばくが少なく高精細な画像を得られることが特長です。
X線透視検査は、医師、看護師、診療放射線技師など多くの職種が連携し、患者さんに最善の医療を提供するために協力しています。医師が治療を行い、看護師が患者の観察とケアを担当し、診療放射線技師が機器の操作を行います。安心して検査を受けていただきたいと思います。

骨塩定量(骨密度)検査室

骨塩定量(骨密度)検査室

骨密度測定検査は、骨の健康状態を評価するために行われ、骨粗鬆症などの骨疾患の診断や予防に役立てることができます。当院の装置は、二重エネルギーX線吸収法(DEXA法)を用いており、日本骨粗鬆症学会のガイドラインでは、骨粗鬆症の診断にはDEXA法を用いることが推奨されています。日本人の骨密度データと比較したより正確な検査結果を提供しています。非常に被ばくが少ないので、3歳から検査可能です。
骨密度検査は、骨密度の低下を早期に発見し、骨折リスクを減少させることができる上に、継続的な検査により骨粗鬆症の治療効果を知ることができます。骨の健康を守るために定期的な骨密度検査をお勧めします。

CT検査室

CT検査室

CT検査は、X線を用いて全身の検査を行い、診断や治療に欠かせない様々な画像を提供しています。CT検査室では2台の装置が稼働しています。320列多列型CT装置と64列128スライス2管球式Dual Source CTにより、各種臓器の診断のみならず、超高速スキャンや血管や心臓、3D、4Dといった特殊な検査にも対応しており、検査後画像作成なども含めて、中核病院に求められる非常に高度な検査を行うことが可能です。また、地域の医療施設と連携した検査も行っており、近隣の医療機関がかかりつけの患者さんにも必要に応じて当院の高度な検査を受けていただくことができます。
CT検査では、X線を使用するため一定の被ばくがありますが、当院では被ばく低減装置の導入や最適なX線量を検討することにより、被ばく線量のガイドラインを大きく下回る被ばくでの検査を実現していますので、安心して検査を受けていただくことができます。CTの検査時間は標準的に5~10分ほどですが、検査前に絶食などが必要な場合がありますので、検査のご案内を確認してください。
検査時は、安全に、最適なX線量を選択して被ばくを低減しながら、患者さんお一人おひとりの状態に合わせた最適な検査方法を専任の技師が選定しますので、安心して検査を受けていただけます。検査に関する情報や質問がある場合は丁寧に対応いたしますので、ご遠慮なく職員までお問い合わせください。

乳房撮影室

乳房撮影室

乳房撮影(マンモグラフィ)は、乳房専用のX線撮影装置を使用して乳房内部の状態を詳細に観察する検査です。乳がんの早期発見に非常に有効で、触診では発見が困難な微細ながんや石灰化も検出できます。当院の装置はFPD(フラットパネルディテクタ)を使用し、3次元撮影(トモシンセシス)を導入しているため、デジタル技術により高精度で乳房内部の微細な変化を鮮明に捉えます。また、低被ばくで安全な検査です。
検査は全て女性の診療放射線技師が担当します。撮影は乳房を専用の装置で圧迫し、複数の方向から撮影します。痛みを伴うことがありますが、より良い診断を得るためですので、ご理解をお願いします。乳房の健康を守るために定期的なマンモグラフィ検査をお勧めします。

西館エリア

MRI検査室

MRI検査室
MRI検査室

MRI(磁気共鳴画像診断)は、強力な磁場と電波を用いて、体内の詳細な画像を撮影する検査です。X線を使用しないため被ばくの心配がなく、脳、脊髄、関節、血管、前立腺、婦人科領域などの内臓や乳腺疾患などの幅広い組織を精密に描出できるのが特徴です。当院では3T(テスラ)と1.5Tの高磁場装置を1台ずつ計2台が稼働しており、検査目的に応じて使い分けています。2024年3月には最新の1.5T装置を導入し、全身のがん転移検索(DWIBS)や、AIを使用した高度で鮮明な画像を提供できるようになりました。さらに、映像や音楽を鑑賞しながら検査を受けることが可能なシステムを導入し、MRI検査時の快適性を向上させています。閉所恐怖症の方や検査に不安を感じる方、小さなお子さんも安心で、落ち着いた状態で検査を受けていただけるようになりました。また、地域の医療機関と連携した検査も行っており、近隣の医療施設がかかりつけの患者さんにも必要に応じて当院の高度な検査を受けていただくことができます。
当院では、専門の医師や診療放射線技師が連携し、患者さんに最適な診断と治療を提供できるよう努めています。MRI検査についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

血管撮影室

血管撮影室
血管撮影室

血管撮影(アンギオグラフィー)は、血管の異常や病変を診断し、治療につなげるための重要な技術です。当院では、最新の医療機器と高度な技術を駆使し、カテーテルと特殊なデバイスを用いた精密な検査を提供しています。2024年9月に更新された最新のバイプレーン装置と2025年度に更新予定のIVR/CT装置で業務を運用しています。
心疾患の診断には冠動脈造影を行い、バイプレーン装置を用いた2方向撮影で血管の状態を詳しく評価します。特に急性心筋梗塞(AMI)など救急疾患では、バルーンカテーテルでの血管拡張やステント留置を行う経皮的冠動脈形成術(PCI)を迅速に実施し、肝動脈の狭窄や閉塞を治療します。さらに血管内超音波(IVUS)を活用することで、血管の内部構造を詳細に把握します。
不整脈の治療には、カテーテルアブレーションを導入しています。X線透視装置や3Dマッピングシステムを駆使しながら異常な電気信号を発生させる心筋組織を特定し、高周波や冷却技術を用いた治療を行います。
IVR/CTはIVR(インターベンショナルラジオロジー)を行う装置で、透視を利用しながらカテーテルや針を操作し、血管疾患や腫瘍などを低侵襲に治療することができます。CT装置を併用することで、体内の病変位置を把握しながら安全かつ正確な処置をすることができます。特に脳梗塞の急性期治療やくも膜下出血の動脈瘤治療、腫瘍の塞栓術、外傷性出血の止血治療では大きな成果が期待できます。
当院では、最先端の技術と医師、看護師、臨床工学技士、診療放射線技師など専門スタッフの協力により、患者さんお一人おひとりに最適な診断と治療を提供しています。安心して検査・治療を受けていただけるよう努めておりますので、不安な点はお気軽にご相談ください。

核医学検査室

核医学検査室
核医学検査室

核医学検査は、臓器の機能や病気を調べるために微量の放射性物質を使う検査です。体に放射性物質を含む薬を注射し、それが体内の特定の部分に集まる様子を特別なカメラで撮影して、臓器や組織の働きを画像化します。当院では、SPECT/CT装置とPET/CT装置を導入しており、骨疾患・腫瘍・炎症疾患をはじめ、脳・心臓・甲状腺・肺・腎臓・リンパ管など数多くの検査・診断を行っています。
SPECT/CT検査では、パーキンソン病やレビー小体型認知症の診断に使われ、脳内の神経細胞の減少を画像化するドーパミントランスポータシンチ検査は、日本人の高齢化が進む中、増加傾向にあります。
PET/CT検査では、全身を画像化し、がんの広がりや転移を確認する全身PET検査とアルツハイマー病の原因となる脳へのアミロイドβタンパク質の蓄積を画像化し、軽度認知障害(MCI)の治療適応判断を行うアミロイドPET検査を行っています。

これらの検査は、副作用がほとんどなく、体に負担をかけません。放射性物質は短時間で体外に排出され、安全性が確保されています。正確な検査を行うためには、検査前の準備が重要であり、飲食を控えたり、特定の薬を一時的に中止したりする場合があります。検査予約票の注意事項を必ずお読みください。
結果については、専門の放射線診断科医師が丁寧に解析し、診断レポートを作成します。また、共同利用検査として、地域医療機関からの紹介により検査を行っています。

放射線治療室

放射線治療室

放射線治療は、手術や化学療法と並ぶ悪性腫瘍の治療法の一つです。腫瘍に放射線を照射することで、組織を切除せずに腫瘍を死滅させ、臓器の機能や携帯を温存できます。治療の目的には、根治照射、予防的照射、緩和照射があります。高エネルギー放射線発生装置(Varian社 TRUE BEAM)を用い、X線や電子線を体の外から照射して治療を行います。
放射線治療技術が進歩し、IMRT(強度変調放射線治療)や定位放射線治療のような高精度な治療法が普及し、放射線治療の需要が増えています。

  • IMRT(VMAT):腫瘍に対して非常に正確に放射線を照射し、正常組織へのダメージを最小限に抑えます。VMAT(回転型強度変調放射線治療)で治療することにより、短時間で腫瘍に対して集中的に照射(強度変調照射)が可能です。
  • 定位放射線治療(SRT・SBRT):特定の部位に高精度かつ高線量の放射線を照射し、短期間での治療が可能です。
当院では、これらの治療技術が年々増加しており、医師、診療放射線技師、医学物理士、看護師が連携を取り治療を行っています。

品質管理・品質保証
放射線治療部門では、医学物理士や放射線治療専門放射線技師が中心となり、品質管理業務を行っています。また、第三者機関による評価を定期的に受けることで、放射線治療を安全に提供できる体制を整備しています。

救命救急センターエリア

救急一般撮影室

救急一般撮影室

救急一般撮影室にはFPD(フラットパネルディテクタ)型撮影装置、ポータブル撮影装置が設置されており、24時間常時2名の技師が担当しております。
一般撮影装置では、重症の患者さんでも多方向から撮影できるようにディテクタを2面設置しております。また、FPDを採用しているため被ばく線量の低減が図られることにより、患者さんにやさしい検査が可能です。
撮影室に来られない重症度の高い患者さんには移動式のポータブル撮影装置で検査を行い、治療と検査が同時に行われています。

救急CT検査室

救急CT検査室

救急CT撮影室は多列型CT装置(MDCT)64列が設置されており、主に救急患者さんの検査に利用しています。
この装置では広範囲を短時間で撮影することができ、より救急に特化した撮影をすることが可能です。
また、脳動脈留の3次元再構成などの画像解析装置も設置されており、様々な症例に対し、より診断に役立つ画像処理を施しています。
常に医師、看護師と連絡を密にして病状に応じた適切な検査ができるよう努力しています。

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