院長挨拶

院長挨拶

新年度を迎えて

当院ホームページをご覧いただきありがとうございます。院長の西川 正憲(にしかわ まさのり)です。

 

当院は1971(昭和46)年の開院以来、地域の医療機関との連携を大切にしながら、皆さまから信頼される地域の基幹病院、高度かつ高質な急性期総合病院として、常に「より良い医療」を提供するべく運営しています。

 

2023年度は、腎センター(2021年開設)に、腎移植を含めた適切な腎代替療法を提供できるように腎臓移植外科と腎臓移植内科を新設しました。

内視鏡センターでは、消化管腫瘍(食道がん・胃がん・大腸がん・十二指腸腫瘍)、咽頭がん等に対する内視鏡診断・治療に対応すべく、専門施設と同じ最先端内視鏡機器を導入し、さらにブルーライト照明や 4Kモニターなども整えました。また、重症喘息に対する気管支サーモプラスティを導入しました。さらに、発作性心房細動や持続性心房細動に対して、クライオアブレーションを導入しました。労作性狭心症が疑われる場合に冠動脈CT検査に加えて、適応がある患者さんに必要に応じてFFRCT解析(血流予備量比コンピュータ断層撮影)を実施できるようにしました。2024年度も、必要な新しい技術・医療を適切に導入してまいります。

 

さて、新型コロナウイルス感染症は、2023年5月8日に感染症法上の5類感染症に位置付けられ、社会生活は活気を取り戻しつつあります。しかし、新型コロナウイルス自体の変異、病原性および感染後の重症化・症状遷延(いわゆる後遺症)などについては未知なことも多いのが事実です。新型コロナウイルス感染症以外の感染症も流行し、新たな感染症の流行も危惧され、適切な対応ができることも求められています。また、高度かつ高質な急性期総合病院の医療職は、医療の不確実性が高いこと、長時間勤務になりがちであること、ワークライフバランスが保ちにくいことなどが指摘されています。これまでも、医療レベルを維持・向上することについては、医療者の献身的な努力に依存している現実があります。このような状況に、現場の医療職の精神疲労が蓄積していることが厚生労働省からも明らかにされていますが残念ながら、これらに対する有効的な施策は乏しい現状にあります。このような状況になっても、当院では、医療者の働き方改革に取り組んでまいりますので、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

 

飛躍的に、医学、医療技術、科学技術などが進歩している現代であるからこそ、医療の不確実性について、あらためて皆さまとともに共有したいと思います。病状については現時点で予想されることになります。変わることがあるかもしれないことは、予めご承知いただきたいと思います。私たち医療者が最善と考える選択(医療・治療)が、必ずしも患者さんやご家族の皆さまが期待される最高の結果につながるわけではないこともご了解いただきたくお願いいたします。

将来にわたりこの地域での高度急性期病院としての医療を保つためには、皆さまのご協力をいただきたいと思います。定期的な受診による持病の管理、病態に応じた医療機関の選択、治療から介護への移行など、地域全体での適切な備えをお願いいたします。まずは気軽に相談できる「かかりつけ医」を作りましょう。そして高度医療が必要な場合は「かかりつけ医」の紹介で当院受診をお願いいたします。その後、病状が安定しましたら、「かかりつけ医」などでの医療継続をお願いいたします。

 

当院では、引き続き適切な感染管理体制を継続し、地域の基幹病院、高度かつ高質な急性期総合病院として、救急医療、がん診療、地域医療連携、周産期医療、小児医療などのさまざまな機能について、これまでを継承・発展しつつ、「より良い医療人になる」「より良い医療を提供できる」「より多くの患者さんに選んでもらえる」ように、職員一同、今後も努力を続けてまいります。

 

本年も当院をよろしくお願いいたします。 

院長 西川正憲