-お産特設ページ-出生前検査について

出生前検査NIPT(Non-Invasive Prenatal genetic Testing)について

NIPT(母体血を用いた新型出生前遺伝学的検査)は、従来の羊水染色体検査時の穿刺に伴う流産や破水のリスクを回避できる非侵襲的遺伝学的検査として2013年より認証施設で導入開始されました。しかし、実施施設が拡大する中で、その簡便性から検査に関する十分な説明が医療者から示されず、その結果妊婦さんがNIPTを受けることをどのように考えたらよいか、その意義や限界、そして検査結果の解釈などを正しく伝えられないまま検査が行われる場面が、社会問題化されています。

当科は、2022年9月26日に日本医学会出生前検査認証制度等運営委員会より「NIPTを実施する医療機関(連携施設)」の認証を受けました(2022- 基064- 連005)。認証検査分析機関、基幹病院である横浜市立大学附属病院と連携した体制で実施します。
詳しくはこちら日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会(外部サイト)」

NIPTの精度は高く、陰性的中率は高い(陰性判定時の的中率は99%以上)ものの確定診断ではないので、陽性または判定保留の場合には、当院または基幹病院において羊水染色体検査を実施します(NIPTの確定検査以外の目的での羊水検査には対応しておりません)。

その他、非確定検査としての母体血清マーカー検査(クアトロ検査等)やコンバインド検査は行っておりませんのでご了承ください。

検査の対象となる疾患

21トリソミー(ダウン症候群)

18トリソミー

13トリソミー

検査を実施する妊娠期間

分娩予定日が決定された妊娠10~15週に実施します。
なお、受検する妊婦さんの年齢制限はありません。

費用

検査費用と別途、検査前後の遺伝カウンセリング及び初再診料がかかります。
出生前検査に係わる全ての診療には健康保険は適用されません。

検査費用 

112,000円(非課税)

遺伝カウンセリング料

検査前初回:10,000円(非課税)

検査前初回(当院での分娩申込をしていない方):13,000円(非課税)

結果開示・2回目以降:5,000円(非課税)

検査の流れ

予約

    • 原則当院での分娩予定の方を対象としています。検査のご希望がある方は、出生前相談専門外来の予約をおとりしますので、分娩予定日決定(妊娠9〜10週)時に担当医へお申し出ください。
    • 他院分娩予定の方に関しては、検査前後の対応等について当院と連携可能な分娩予定施設からの診療情報提供書(紹介状)をお持ちの方に限らせていただきます。まず、分娩予定施設が当院と連携合意済みかどうか、おかかりの施設にお問い合わせください。
      分娩予定施設が当院と連携合意前であっても、施設間合意にいたれば出生前相談外来の予約をお取りできます。
      なお、出生前相談専門外来での初診予約になりますので、予約をおとりになる際にNIPT希望をお申し出ください。
    • ヘパリン皮下注射をご使用中の方は、検査予約時にお申し出ください。

遺伝カウンセリング(検査前)

臨床遺伝専門医や遺伝診療研修を修了した周産期(母体・胎児)専門医による遺伝カウンセリング(お腹の中にいる胎児に対してご心配されていることに対して、NIPTがお二人にとって最良と思われるか、どのような対応が最善となり得るかを一緒に考える)を検査前と検査開示時に行う完全予約制の専門外来で対応しています。
また、遺伝カウンセリングについては、十分なご理解を得た上で検査を行うために、胎児のご両親にあたる妊婦さん及びパートナーのお二人でご受診いただきますので、ご了承ください。

採血検査

日本医学会の推奨内容に沿った専用の同意書に、ご本人及びパートナーのお二人に署名いただいた上で、妊婦さんご本人から採血を行います。遺伝カウンセリング当日でも後日でも可能です。

遺伝カウンセリング(検査結果開示)

  • 検査実施から約2週間後に行います。
  • 検査結果は「陰性」または「陽性」で判定されますが、稀に血液中のDNA量が足りないなどの場合に「判定保留(陰性でも陽性でもない)」となることがあります。判定保留の場合、再検査を行うことがあります(追加費用負担はありません)。