腎臓移植外科

対象疾患

  • 慢性腎臓病と診断され、将来的に腎代替療法(透析療法・腎移植)が必要と言われている方(相談だけでも受け付けています)
  • 透析療法中で腎移植を希望されている方
  • 腎移植を施行された方
  • 腎提供を希望する方

診療科概要

特色

腎臓の機能が低下する慢性腎臓病(CKD: chronic kidney disease)患者さんは国内に1,330万人(成人の8人に1人 2012年) いるとされ国民病と言われています。腎臓の機能が低下し生命の危険がある末期腎不全に対しては、腎代替療法として透析(血液透析・腹膜透析)と腎移植という治療法がありますが、なかでも腎移植は生活の質、生命予後が優れています。

神奈川県内には2万人を超える末期腎不全患者さんがいると言われていますが、神奈川県での人口あたりの腎移植件数は全国平均を下回っており、腎移植を希望されても待機が必要な方やお住まいの近くで腎移植ができない方がいらっしゃいます。そうした状況を受け地域医療、そして神奈川県内での腎移植件数増加に貢献するために、当院では2022年より生体腎移植を開始しました。神奈川県内では7施設目、湘南東部医療圏で唯一の腎移植実施施設となります。腎臓移植内科をはじめとする他科の専門医や看護師、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど多職種と協力し、末期腎不全患者さんの治療を行います。

腎移植について

末期腎不全とは腎臓の機能が低下し体内の水分や老廃物を尿として十分に排出することができなくなることで、そのままでは生命の維持が困難となります。末期腎不全に対する腎代替療法のなかで腎移植は唯一の根治治療とされ、ドナー(臓器を提供していただく方)から提供された腎臓を手術で移植することにより、透析をすることなく生命の維持が可能となります。親族から片方の腎臓を提供していただく生体腎移植と、亡くなった方から腎臓を提供いただく献腎移植があります。
腎移植を受ける方(レシピエント)には条件がいくつかあり、腎移植をご希望される方は事前に時間をかけて診察、検査を行い、適応があるか評価させていただきます。

生体腎移植

健康なドナーから一方の腎臓の提供をうける腎移植を生体腎移植といいます。腎臓は2つあり、健康な状態であれば1つの腎臓でも日常生活を送るためには問題ないとされています。本邦においては生体腎移植ドナーとなれるのは親族(6親等以内の血族か配偶者または3親等以内の姻族)で健康な方という条件があります。腎機能が問題ないこと、併存疾患の状態、悪性腫瘍や活動性の感染症がないことなどが腎移植ドナーの条件です。レシピエント、ドナーともに腎移植を受ける上で問題がないか、事前に十分に診察、検査をして適応を判断させていただきます。またドナーは腎提供後も腎機能の確認のため、腎臓移植内科にて定期的に診察を行います。

先行的腎移植について

末期腎不全になった際に透析を行わずに腎移植を行うことを先行的腎移植といいます。本邦では基本的には生体腎移植で行います。透析療法は体内の老廃物を除去することが可能ですが、常時除去することはできないため心臓や血管に負担がかかります。先行的腎移植では末期腎不全を経験する期間が短く、透析を行わないため心臓や血管への負担が少ないとされ、移植腎生着率、生存率が優れていると言われています。末期腎不全に至るより早い時期から準備をすることで、メリットの大きい先行的腎移植を選択できる可能性が広がります。

献腎移植について

亡くなった方からの臓器提供によって行う腎移植です。脳死または心停止の方からの提供を受けて行うため親族の生体ドナーを必要としませんが、献腎移植実施施設を通じて日本臓器移植ネットワークに登録が必要となります。現在当院では生体腎移植を中心に行っており、献腎移植をご希望の方は相談のうえ他院にご紹介させていただきます。

当科の診療体制

新患外来

腎移植を希望される方、将来的に末期腎不全のリスクがあり腎移植について説明を聞きたい方、腎提供をご希望される方が対象です。十分に時間を確保し、腎移植の概要、検査、スケジュールなどをご説明します。生体腎移植を希望される方は親族のドナー(腎提供者)候補が必要となります。すでに候補の方がいらっしゃれば一緒に受診されることをお勧めします。親族のドナー候補がいない方でも、献腎移植などをご相談します。

  • 新患外来日
  • 第2, 4 月曜日 午後:望月、花井
  • 第2, 4 木曜日 午後:望月、花井

再診外来

腎移植に向けて準備を行う方、腎移植を行った方が対象です。腎移植に向けて感染症の検査、ワクチン接種、がんスクリーニング、画像検査などを行い腎移植に備えます。移植準備は腎臓移植内科と協力して行っていきます。病状により異なりますが腎移植までは初診から概ね3ヶ月以上の準備期間を要します。

  • 再診外来日
  • 月曜日:望月、花井
  • 水曜日:花井、望月
  • 診療科部長(腎臓移植外科)

    望月 拓もちづき たく

    専門領域 腎移植、内視鏡手術、ロボット手術
    認定/
    資格
    日本泌尿器科学会専門医/指導医 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会泌尿器腹腔鏡技術認定医/泌尿器ロボット支援手術プロクター(前立腺・膀胱) 日本移植学会移植認定医 日本臨床腎移植学会腎移植専門医 日本がん治療認定機構がん治療認定医 身体障害者福祉法第15条指定医
  • 専門医長

    花井 孝宏はない たかひろ

    専門領域 泌尿器一般、腎移植、内視鏡手術
    認定/
    資格
    日本泌尿器科学会専門医/指導医 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会泌尿器腹腔鏡技術認定医 ロボット支援手術施行資格(certificate) 日本移植学会移植認定医 日本臨床腎移植学会腎移植専門医 身体障害者福祉法第15条指定医
  • 非常勤医師

    寺西 淳一てらにし じゅんいち

    専門領域 腎移植、小児泌尿器、泌尿器腫瘍
    認定/
    資格
    横浜市立大学附属市民総合医療センター泌尿器・腎移植科准教授 日本泌尿器科学会専門医/指導医 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会泌尿器腹腔鏡技術認定医 日本移植学会移植認定医/代議員 日本臨床腎移植学会腎移植専門医 日本小児泌尿器学会認定医
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
新患(午後) 望月(2,4)
花井(2,4)
- - 望月(2,4)
花井(2,4)
-
再診 望月
花井
- 望月
花井
- -

( )内の数字は週数

腎代替療法が必要な方、将来的に必要となる可能性がある方で腎移植に興味のある方がいらっしゃいましたらご紹介ください。 先行的腎移植をご希望の方は早めに(CKDstage3b-4) 受診いただくことで、余裕を持って準備ができます。話だけでも聞いてみたいという方は、CKDの進行具合に関わらず説明させていただきますのでご紹介いただけますと幸いです。

患者さんのご紹介について

当院の外来診療は「紹介予約制」としています。
患者さんをご紹介いただくときは、事前にFAXまたはインターネットにて診療予約をお取りください。

診療予約のながれ

外来予約センター(直通)

電話:0466-50-1105

FAX:0466-55-1350

受付時間:月曜日から金曜日 8:30~17:00
※土曜日・日曜日・祝日・12月29日から翌月1月3日を除く

患者さんのご紹介について

当院の外来診療は「紹介予約制」としています。
患者さんをご紹介いただくときは、事前にFAXまたはインターネットにて診療予約をお取りください。

診療予約のながれ

また、症状が安定し、同じ投薬を続けている場合は、お近くのかかりつけ医で通院治療が続けられるよう逆紹介しています。

外来予約センター(直通)

電話:0466-50-1105

FAX:0466-55-1350

受付時間:月曜日から金曜日 8:30~17:00
※土曜日・日曜日・祝日・12月29日から翌月1月3日を除く

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