小児救急科

診療内容

こどもたち(原則0歳から中学3年生まで)に関わるものであれば外因・内因問わず全ての疾患を対象に診療しています。
通常、“小児科”では対象としていない外傷も重症度にかかわらず(ちょっとした傷から交通事故などの重大な外傷まで)診療の対象としています。

特色

私たち小児救急科は先に述べたように、こどもたちに関わることであれば何でも対応しています。その中で大切にしている4つのキーワードがあります。

  • 24時間365日
  • 病院前救護
  • 集中治療
  • 予防

これらのキーワードについて説明します。

24時間365日

これは言葉の通り、24時間365日いつでもどんな病気や怪我でもこどもたちの診療を行っているとうことです。それも小児診療の専門家である小児科医師もしくは小児救急科医師が行っています。こどもたちの診療をいつでもどんなときでも、そのスペシャリストが診るのは当たり前のようですが、このことを実践している医療機関はそれほど多くはありません。当院でもその体制を構築するために工夫を凝らしてきました。特に特徴的なのが小児科医師と共同しシフト制をしくことによりいつでも小児診療のスペシャリストが救急診療を行うことができる体制を作り上げました。これは全国に先駆けて2002年に導入しました(尚、この時点で小児救急科はまだ存在していません)。それ以降、当院ではこどもたちの診察にはいつでもスペシャリストが対応できるになりました。また、2007年に小児救急科が開設され、2012年には小児専門医療機関で小児救急医療、小児集中治療の研鑽を積んだスタッフが在籍するようになり、それまでは大学病院などの高次医療機関へ転送していた重症なこどもたちの治療も藤沢市民病院内で行う事ができるようになりました。

病院前救護

わたしたちは病院の中での診療だけでなく、病院の外での診療も行っています。これは救急現場に赴いて診療を開始すると言うことです。現在、救急現場のスペシャリストである救急救命士は多くの医療行為を行う事ができるようになってきており、病院に到着するまでに状態が改善していることも少なくありません。しかし、その救急救命士にもこどもたちに対してできる処置は非常に限られています。こどもたちには痙攣やアナフィラキシーなど緊急の処置が必要な場合が少なからずあり、その場合は1秒でも早く治療介入することが、その後の経過を良くします。そのために私たちは1秒でも早くそのようなこどもたちに治療介入ができるように、藤沢市消防局の協力の下(2013年から開始しています)、一定の基準に該当した場合には、消防救急車に同乗し現場へ向かい、こどもたちの診療に当たっています。
また、今までこれらの活動は藤沢市内に限られていましたが、2021年4月からは病院所有のドクターカーを使用することで、茅ヶ崎市や寒川町へ出動できる体制を整えています。

集中治療

先にも述べましたが、当院では重症(人工呼吸器による管理を必要とするなど)なこどもたちの治療も行っています。大学病院やこども病院以外のいわゆる市中病院では珍しいと思います。神奈川県内でも重症なこどもたちの治療をできる施設は多くはなく、当院にも藤沢市内のこどもたちだけでなく、神奈川県内あらゆる地区(近隣の横浜、鎌倉、大和、茅ヶ崎だけでなく遠くは川崎、横須賀、小田原など)からの受け入れをしてきた実績があります。受け入れにあたっては、私たちが紹介元の医療機関へドクターカーで赴き、こどもたちを自分たちの管理の下、搬送してくることもしています。重症なこどもたちの搬送は危険を伴うこともありますが、当科スタッフは専門知識と豊かな経験を有しています。
一方、当院だけで対応できない場合もあり、その場合には神奈川県立こども医療センターや北里大学などPICU(こどもたちのための集中治療室)を有している施設と連携しています。

予防

病気を未然に防ぐという点で、“予防”することの重要性は皆さんご存じだと思います。新型コロナウイルス感染症が流行してから、マスク、うがい、手洗いなどの基本的な感染予防をすることで、インフルエンザなどの他の感染症の流行も予防できたことはわかりやすい例だと思います。
救急医療において、“予防”とは少し違和感があるかも知れませんが、救急受診するこどもたちの中には感染症など内科疾患だけでなく予防をしていればおきなかったであろう怪我や事故のこどもたちも少なからずいます。特に家庭内の怪我や事故(異物を飲み込んでしまったり)は、予防さえできていればおきません。重大な事故が生じる前に、ちょっとした怪我や事故で受診された場合でも、ご家族には予防することの大切さを伝えています。ケースによっては、こども家族支援チームという多職種(医師だけでなく看護師、ソーシャルワーカーも含めた)が関わったチームが介入することもあります。このチームは育児における悩みなどにも対応しています。
また、こどもたちに関わる大きな問題に、“虐待”があります。虐待は早く見つけ出さなくては重大な結果を招くことはよく知られていますが、わたしたちは院内のルールに則って、完全に否定できない場合には虐待防止委員会などに判断を仰ぎます。このようにして、こどもたちの安全を守る努力をしています。
これらの“こども家族支援チーム”や“虐待防止委員会”において、私たち小児救急科医師は中心的な役割を担っています。

  • 診療科主任部長 (小児救急科)/救命救急センター副センター長

    福島 亮介ふくしま りょうすけ

    専門領域 小児救急、集中治療、病院前救護
    認定/
    資格
    日本救急医学会救急科専門医 日本小児科学会小児科専門医・指導医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター 米国集中治療学会認定 PFCCSコースインストラクター 神奈川県DMAT-L隊員 神奈川県災害時小児周産期リエゾン 臨床研修指導医(厚生労働省) 湘南メディカルコントロール協議会事後検証作業部会員、病院実習作業部会長、検討部会員
  • 専門医長

    志村 紀彰しむら きしょう

    専門領域 小児救急、小児集中治療
    認定/
    資格
    日本小児科学会小児科専門医

小児科医師と協同し救急外来を24時間・365日担当しています。平日日中は担当医(小児救急科医もしくは小児科医)1名の他に小児救急科医が常駐しています。また、休日・夜間に重症度の高いお子さんが受診・搬送された場合には、小児救急科医がオンコール対応しています。

救命救急センター小児ER外来患者数

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
患者数(人) 12,059 7,039 10,491 11,590 12,703
救急車搬送(件) 1,716 1,211 1,658 2,212 2,436

ご紹介いただく場合

平日日中、内因性疾患で緊急度の高くない患者様に関しては一般小児科外来(受付時間8:30~11:00)にご紹介ください。その場合当院へのご連絡は不要です。
上記以外の場合(例えば、緊急度の高い患者、外傷患者、小児科外来受付時間に間に合わない場合など)、救命救急センター小児救急科へご紹介ください。その際にはお手数ですが救命救急センターにご一報下さい。

見学や研修をご希望される場合

医師(小児科医である必要はありません)や医学生の方で、小児救急の現場での見学や研修をご希望される方がいらっしゃいましたら、随時お受けしていますのでご連絡ください。
連絡先 病院総務課 職員担当

患者さんのご紹介について

当院の外来診療は「紹介予約制」としています。
患者さんをご紹介いただくときは、事前にFAXまたはインターネットにて診療予約をお取りください。

診療予約のながれ

また、症状が安定し、同じ投薬を続けている場合は、お近くのかかりつけ医で通院治療が続けられるよう逆紹介しています。

外来予約センター(直通)

電話:0466-50-1105

FAX:0466-55-1350

受付時間:月曜日から金曜日 8:30~17:00
※土曜日・日曜日・祝日・12月29日から翌月1月3日を除く

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