重症体幹部外傷(鈍的外傷,鋭的外傷)、多発外傷(多領域外傷も含む)を診ています。救急隊からの入電時に、頚部を含む体幹部刺創やショックを伴う外傷症例では、365日24時間救急外科がOn callで呼ばれるシステムを採用しています。
また対象症例が病院到着時に、初療医がショック状態と判断した場合は、院内全館放送で「Trauma Call」というコードが流れ、即時に救急外科を含む関係部署(麻酔科、整形外科、脳神経外科、放射線診断科(IVR医)、手術室看護師、放射線技師、輸血部、臨床工学技士(ME),院内救命士)が集まるシステムも作っています。
初療室から各部署へ電話をかけなくても人が集まるようにすることで、治療時間短縮、救命率向上につながると考えています。病院全体にコードが響くことで、人が集まり大きな病院が大きなチームに変化します。
対象疾患に対しては、われわれが初療から対応し、Strategy(戦略)を立て、Decision Making(意思決定)を行うコマンダーとなります。タイミングを逸することなく蘇生的緊急手術(初療室開胸術(ERT)や初療室開腹術(ERL))を行います。
ときに整形外科や脳外科と同時手術を行う場合もあります。また放射線診断科(IVR医)と同時に戦略を立てる場合もあります。循環動態が不安定であればDamage Control Surgeryを行い、一時的に閉腹後のEICUでのOpen Abdominal Management(OAM)による開腹管理、循環動態を安定させた後のSecond look(2期的)手術までを計画して行います。