くも膜下出血のほとんどは破裂脳動脈瘤、動脈解離であり、ときに動静脈奇形からの出血のこともあります。くも膜下出血の患者さんに対しては発症時の重症度、合併症の有無、年齢などを考慮して治療法を検討します。
- 出血源に対する再破裂予防
- 発症から2週間目までに起きる血管攣縮
- 1ヶ月目くらいに起きる水頭症
が治療対象になります。
出血源に対する再破裂予防
出血源が脳動脈瘤破裂、動脈解離である場合、開頭クリッピング術や血管内治療(コイル塞栓術)を行っています。
血管攣縮
血管攣縮期(3〜14日目くらい)に脳動脈が収縮して脳血流が低下し、脳梗塞を起こすことがあります。脳梗塞を合併すると半身不随、失語症などの身体障害を残し、脳梗塞が広範囲であると命にかかわることもあります。通常は血管拡張薬の点滴治療を行いますが、病状経過によってはカテーテルを用いた治療も行い脳梗塞発症の回避に努めています。
水頭症
水頭症を来たした場合は、髄液シャント手術を第一に行います。脳室腹腔シャント、腰椎腹腔シャントのいずれかを行います。