悪性リンパ腫は免疫細胞であるリンパ球ががん化した病気です。リンパ節を含め全身のいずれの場所にも病気が発生する可能性があります。
診断
悪性リンパ腫であるかどうか、また悪性リンパ腫の病型とリスク分類を病変の生検(病気の一部を切り取り顕微鏡検査や染色体検査を行うこと)により診断します。悪性リンパ腫がどれくらい広がっているか病期診断をするためPET-CT検査も行います。
原因不明のリンパ節の腫れをきっかけに見つかる場合が多いです。
治療
病型により異なります。代表的な病型についての治療を記します。
1)びまん性大細胞B細胞リンパ腫:抗がん剤の多剤併用療法とリンパ腫細胞の表面にあるCD20抗原に結合してリンパ腫細胞を攻撃するリツキシマブを併用するR-CHOP療法を3週間毎に6~8クール行います。
2)濾胞性リンパ腫:病変が限局している場合には放射線療法、病変が全身に広がっている場合には抗がん剤のベンダムスチンとリツキシマブを併用するRB療法を4週毎に6クール行います。最近ではリツキシマブを改良したオビヌツズマブを使用したGB療法を4週毎に6クール行うことも効果が良いとされています。その後、状態に応じてリツキシマブまたはオビヌツズマブによる維持療法が2年間行われます。進行が緩やかなリンパ腫で症状がない場合には無治療で経過観察することもあります。
3)ホジキンリンパ腫:病変が限局している場合には抗がん剤の多剤併用療法であるABVD療法を4週毎に4クール施行し、その後放射線療法を行います。病変が全身に広がっている場合にはABVD療法を4週毎に6クール施行します。