水頭症など

高齢者に多い特発性正常圧水頭症や、脳卒中、髄膜炎後の続発性水頭症に対し、脳室腹腔シャントや腰椎腹腔シャント手術を行っています。外来では日本正常圧水頭症学会の定めたガイドラインに基づいて説明するとともに、わかりやすいパンフレットをお渡しします。また、中脳水道狭窄による水頭症に対しては神経内視鏡を用いた第三脳室底開窓術を行っています。
片側顔面けいれんは脳幹から顔面神経が分岐する部分への脳動脈の接触、圧迫のほか、この部分の脳腫瘍が原因になることがあります。ボツリヌス療法(けいれんを起こしている部分に注射をする方法)で3-6ヶ月はけいれんが止まりますが、再発するので定期的に注射を繰り返していきます。外科的治療法としては顔面神経と動脈の圧迫を解除する方法(神経血管減圧術)があります。三叉神経痛は三叉神経痛への血管の接触、圧迫のほか、ウイルス感染やくも膜炎なども原因になりますので正確な診断が重要です。抗てんかん薬や抗うつ剤の服用が有効な患者さんもいます。血管の圧迫が疑われる場合は顔面けいれんと同様に神経血管減圧術が有効です。外来でご相談ください。ボツリヌス療法及び神経血管減圧術は当科で行っております。
頭蓋頚椎移行部病変(キアリ奇形や大孔部腫瘍など)や、絞扼性末梢神経障害に対する手術も行っています。キアリ奇形は小脳下部(小脳扁桃)が下垂して頭蓋頚椎移行部に嵌入した状態で、水頭症や脊髄空洞症などを合併することがあります。症状は後頭部から後頚部にかけての痛み、肩の張り、幻暈、四肢のしびれ、浮遊感などです。似たような症状を来たす疾患として胸郭出口症候群があります。これは頚椎から上肢に分布する神経の束(腕神経叢)の障害で生じるもので、比較的見逃されている場合があります。慢性の後頚部痛や肩、手のしびれのある方はCTやMRI検査でのチェックをお薦めします。

対象の診療科

  脳神経外科

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