心不全

心不全とは、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり生命を縮める病気です。心不全は虚血性心疾患・高血圧・心筋症・弁膜症・不整脈などが原因で生じる心臓病の終末像です。薬物療法と生活療法が治療の中心となりますが、重症心不全の場合は両心室ペースメーカー(心臓再同期療法;CRT)の植込みも実施可能です。

  • 心不全多職種チーム
    入院患者さんには医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、ソーシャルワーカーによる多職種チームでの指導やリハビリテーションを行っております。筋骨格量や身体機能の測定によるサルコペニアの有無の評価も行っており、退院後の生活指導につなげています。併存疾患や生活・社会的背景によっては心不全入院を繰り返す高齢の患者さんも多く、週1回多職種カンファランスを開催し、必要に応じてご本人、ご家族、退院先の福祉・介護職員にも(状況に応じてweb会議で)参加していただき、多角的視点で退院支援を行っています。また心不全療養指導士による心不全外来を設け、必要とされる方に医師、病棟看護師による退院後のサポートも継続しています。
  • 慢性心不全病診連携クリニカルパス
    一旦病状が安定した患者さんについては慢性心不全病診連携クリニカルパスを利用して、かかりつけ医や在宅診療医と連携して診療にあたっています。クリニカルパスのメリットとしては、通常の紹介状では伝えきれない心不全管理に必要な情報を共有できること、患者指導やかかりつけ医の観察項目が標準化されること、心不全悪化時の受診の目安が統一化されることなどが挙げられ、心不全再入院を未然に防げる患者さんも少なくありません。

「心不全地域連携クリニカルパス」に参加をする患者さんへ

心不全とは心臓が悪いために息切れやむくみが起こる病気のことです。心不全で入院を繰り返すと、身体活動はだんだん低下していき生命を縮めることにつながります。心不全で入院を繰り返す原因は心臓病の悪化よりもむしろ薬をきちんと服用できていない、食事や飲水を多く摂りすぎるなど自己管理が不十分なことが多いのです。しかし患者さん自身での体調管理、ご家族の協力に加えてかかりつけ医や介護のサポートを利用することで心不全の再入院を防ぐことができます。慢性心不全手帳に毎日の体重や血圧・服薬状況などを記録して下さい。患者さん自身での管理が困難な場合はご家族など介護者に協力してもらって下さい。慢性心不全手帳には知っていただきたい症状や治療法が記載されています。自分の体調の変化を早目に気づき、悪くなる前に診察や薬の調整ができると、心不全の悪化による入院を防ぐことができます。
急性期病院である当院での専門的医療が終わり、病状が安定した患者さんについては、かかりつけ医(近隣の医療機関)へご紹介します。その後病状が悪化する場合や定期チェックが必要な場合には、当院での診療を受けることになります。このように当院と近隣の医療機関と連携・協力しあって患者さんの医療にあたっていきます。地域の医療機関同士の連携を密にする手段として当院では「心不全地域連携クリニカルパス」を導入しており、これに参加することでスムーズに連携した医療を受けることができます。患者さんには医師が記載した連絡票(診療情報提供書)が手渡されますので、近隣の医療機関や当院を受診する時には慢性心不全手帳、お薬手帳と一緒に提示してください。今後心不全を悪化させることなく、より快適で幸せな生活が送れますように願っております。

藤沢市民病院 循環器内科

クリニカルパス

対象の診療科

  循環器内科

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