流涙、涙道閉塞

流涙・涙道という言葉は少し聞き慣れないかもしれません。わかりやすく言うと、「なみだ目」と「なみだの通り道」のことです。

涙は、眼の外上方にある涙腺という所で作られ、眼球の表面に広がり潤いを与えた後、まぶたの鼻に近い端にある涙点という点から、涙小管→涙嚢→鼻涙管と流れていき、最後は鼻の中に排出されます。この涙点から鼻への通り道のことを涙道と呼んでいます。加齢・抗がん剤・外傷・腫瘍など、様々な原因でこの涙道に狭窄や閉塞が生じると、涙がうまく流れていかず、あふれてきてしまいます。これが涙道閉塞によるなみだ目の原因です。

治療の基本は、閉塞した場所を再開通させることになります。が、閉塞の場所や程度、また炎症を起こしたことがあるかどうかなどで治療の内容や難易度が異なります。ここでは、主に行っている治療法2つをご紹介します。

1つは、涙管チューブ挿入術です。閉塞した涙道(主に鼻涙管)をブジー(細い金属の棒)で突き破って広げ、すぐに再閉塞しないよう太さ約1mmのシリコンチューブを留置する治療です。36ヶ月程度留置を継続し、抜去後に早期再閉塞がなければ治療は成功となります。局所麻酔で2030分程度の処置のため、外来で行うことが可能です。

もう1つは、涙嚢鼻腔吻合術という手術です。こちらは上記の涙管チューブ挿入後に再閉塞してしまった場合や、炎症を繰り返しておりチューブの治療では難治と考えられる場合に行います。再閉塞や炎症で傷んでしまった元々の涙道を広げるのではなく、眼と鼻の間にある骨を削り、涙嚢から鼻へと抜ける新しいバイパスを作る治療です。当院では全身麻酔23時間、入院1週間前後で行っています。

その他、涙道の閉塞がない流涙(涙の量や質の問題、眼部の炎症など)、涙嚢腫瘍による閉塞などは、当院の眼科や必要に応じて大学病院などとも連携して治療を行います。

対象の診療科

  形成外科

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