足や手の動脈(主に足に起きます)が動脈硬化になって細くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)して先まで血が通いにくくなる病気です。
軽いものでは冷えやしびれ、歩行時の足の痛み、重症では安静時の足の痛み、足の壊死(全く血が通わずに腐ってしまう)などの症状を引き起こします。
閉塞性動脈硬化症の原因
- 喫煙
- 糖尿病
- 高コレステロール血症
- 高血圧
- 肥満、運動不足
- その他(男性、高齢者)
閉塞性動脈硬化症の診断法
専門医の触診でだいたい分かります。
ドップラー超音波検査、血管造影検査(CT、MRIを含む)で更によく分かります。=確定診断
閉塞性動脈硬化症の症状と重症度
Fontaine分類 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
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自覚症状 | 冷感 しびれ |
間歇跛行 歩くと足が痛み 休むと治る |
安静時痛 | 潰瘍 壊死 |
治療法 | 生活改善 | 生活改善 薬物療法 手術、血管内治療 |
生活改善 薬物療法 手術、血管内治療 |
生活改善 薬物療法 手術、血管内治療 切断 |
閉塞性動脈硬化症の治療法
生活改善(禁煙、運動、保温)
全ての症例で
薬物治療
軽症に
血管内治療(カテーテル治療)
一部の病態=腸骨動脈領域で閉塞または狭窄が短区間の病変
手術 (バイパス手術)
重症に
閉塞性動脈硬化症のバイパス手術
詰まった血管の前後を人工血管でバイパスする手術です。
時に自己の血管(大伏在静脈)でバイパスすることもあります=膝より下へのバイパスで使用。
人工血管とは
特殊なポリエステルやゴアテックスで出来ています。
長持ちするかどうかは病変の場所や程度、生活改善度、合併症の有無などによります。
成績がよいとされている大動脈~大腿動脈バイパスでも5年で90%程度の開存率(長期間詰まらないで流れる率)、大腿~膝窩動脈バイパスだと5年で70%程度の開存率です。
下腿へのバイパスだと更に開存率は悪化します。
閉塞性動脈硬化症手術の良いところと悪いところ
手術が上手く行けば重症の下肢虚血が治って、楽に歩けるようになったり、足の痛みが取れたり、足の腐りが良くなります。
ただし上手く行かないこともあり得ます。
閉塞性動脈硬化症の手術は足を治す手術ですが上手く行かないと全身(命)に影響することがあります。=閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化の一部として現れていることがあるためです。
術中術後合併症による死亡、後遺症、余病、再閉塞、下肢切断などの危険障害が起きることがあり得ます。