宗教上の理由で輸血を拒否される患者さんへ
当院では、患者さんが宗教上の理由により輸血拒否の意思を表明される場合、その意思を尊重して可能な限り輸血を避けるようにしますが、治療に携わる医師が輸血を行う以外に救命の方法がないと判断する緊急の場合には、救命を優先して輸血を行います。「相対的無輸血治療」
以下のような取り決めをいたしておりますので、ご理解の上、ご協力をお願い申し上げます。
- 無輸血治療のために最善の努力を尽くしますが、輸血および血液製剤により生命の危険が回避できる可能性があると判断した場合には、救命を優先して輸血を行います。その際、輸血同意書が得られない場合でも輸血を行います。
- 輸血拒否をする患者さんまたはご家族が提示される「免責証書」など、「絶対的無輸血治療」に同意する文書は、受理・署名はいたしません。
- 出血する可能性のある手術・治療には輸血をともなう可能性があり、輸血拒否により手術・治療の同意書が得られない場合であっても、救命のため緊急手術・治療が必要な場合は手術・治療を行います。
- 以上の方針は、患者さんの意識の有無、成年・未成年の別にかかわらず適用します。
- 自己決定が可能な患者さん、保護者または代理人に対しては、当院の方針を十分に説明し理解を得る努力をいたしますが、どうしても「相対的無輸血治療」に対して同意が得られず、治療に時間的余裕がある場合には、他の医療機関での治療をお勧めします。
2017年7月
病院長
「相対的無輸血」とは
患者さんの意思を尊重して可能な限り無輸血治療に努力するが、「輸血以外に救命手段がない」事態に至った時には輸血をするという立場・考え方
「絶対的無輸血」とは
患者さんの意思を尊重し、たとえいかなる事態になっても輸血をしないという立場・考え方